裂固 / AUTOMATICFUN

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1stEP、2016年、日本
ヒップ・ホップ
★★★☆☆

高校生のデビュー作としてはできすぎ

まだまだこれからにも期待大!!

<まず聴いてほしい一曲>
#2"MAKE SOME NOISE"

俺の尺は俺が使い切る

先日行われたオールスター戦による第10回高校生ラップ選手権にも出場した第9回チャンピオン、裂固。
その圧倒的なバトルの強さによって初出場ながらも優勝をもぎ取った彼。Lick-Gとの決勝戦はいつ見ても鳥肌もの。

Lick-Gバイバイ ごきげんよう!!

ちなみにこの二人は第10回の1回戦で再び戦い、延長戦を経てLick-Gが雪辱を果たしています。

バトルでの裂固はとにかく韻が固い。
多種多様なスタイルのラッパーが出るようになって久しい高校生ラップ選手権ですが、その中でもここまでの正統派ハードライマーはT-Pablow以来かもしれません。
彼のスキルの高さにはHIDADDYも「怖いくらい」と舌を巻いていました。

そんな彼が今年リリースした初めての音源がこちらです。
いきなり全国展開できたのはやっぱり第9回の優勝がでかいですね。これこそヒップ・ホップドリーム。

その音源ですが、一言でいえば「渋い」。
本当に高校生?っていうくらい「明るさ」「若さ」というところとは無縁です。
#3"Loser"という曲にそれが顕著に表れています。
いきなり歌いだしが

すぎていく時間を追えず眼前に広がってる現実が遮ってる希望の光

ですよ。多分僕の100倍人生経験ある。顔も僕より年上に見えるくらいですし。
他の曲でも「今が楽しい~!」みたいなリリックは一切なく、自分の内省的で脆い内面を赤裸々にさらけ出すような世界観です。
トラックもそういうトピックが合うようなダークなものが多いです。

#4"SILENT PLAN"

過剰すぎる欲求を没収して要求する見返りはステージ上の爽快感

そんな中でも少しゆったりした雰囲気の#8"MY SPACE"は、地元・岐阜大垣市への愛を歌った一曲。

何もない町 山と川に囲まれ 煌びやかなる光景に持った憧れ

この次の最後の曲#9"風音"も明るい雰囲気のトラックでフィナーレ感を演出しています。お気に入りの一曲。

と、完全に高校生ラッパーという領域を逸脱したレベルの音源なのですが、ちょっと気になる点も。
裂固くんのフロウが少し一本調子な感が否めないです。
トラックのテンポ感が似通っているせいなのかもしれませんが、基本6連符とそこに休符を挟み込んでいくフロウばっかりで、後半にかけて飽きが来そうになってしまいます。
客演が多い後半ではゲストのMCたちに助けられてそれほど単調な印象はありませんが。
この点はまだまだ先が長い将来のある若者ですからここからの伸びに期待大。
そしてその伸び次第で彼が「ただのバトル強いやつ」で終わるか「本物のラッパー」になるかがかかっていると思います。
上から目線でどうもすみません。


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