MSC / MATADOR

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1st、2003年、日本
ヒップ・ホップ
★★★★☆

リアルなヒップ・ホップ、ここに完成。

漢のキレキレのラップが満載でございます。

<まずこの一曲>
#2“無言の蓄積

時間の感覚 麻痺する生活 無言の蓄積 いつから明確?

デビューEP「帝都崩壊」(2002年)を紹介した後ちょっとご無沙汰になっていたMSCのアルバム。ようやく1stフルを聴きました。

著書「ヒップホップ・ドリーム」の中で漢は「自信が揺らいだ『MATADOR』」という章を立てたうえで、このアルバムについて、
『MATADOR』はMS思想を共有する身内だけでより理想とする楽曲を作りたかった。…(中略)…ところがヤツにとっても初めてのトラック制作、試行錯誤を重ねてもなかなか思い描いたサウンドに近づかなかった。…(中略)…最後のマスタリング作業を終えた段階に至っても俺は作品のレベルに頭を悩ませていた。全体としていびつな音に仕上がっていて、はたして正式な作品としてリリースできるものなのか、不安でならなかった。
と語っています。
確かにトラックはちょっと似たり寄ったりだし、サウンドプロダクションも消して褒められたものではありません。

しかし、「ところがしばらくすると、不思議なことに『MATADOR』は麻薬のようにじわじわと効いてくる作品だということに気がつ」いた、と漢も述べている通り、まさに「スルメ」となっているこのアルバム。
漢のB-BOY PARK MC BATTLE優勝もあって、この後一気にシーンからの注目を浴びていくことになります。

「ヒップホップ・ドリーム」の中にも書かれているイラン人売人とのいさかいも描かれている#4”新宿 U.G.A.”。これがまた名曲。
さあ、乗り込め これが真実を語る箱舟
こんなパンチライン吐かれたらもう一目ぼれでしょ。
「リアルしか歌わない」という新宿スタイルを表現しながら、こんなスタイル他にはないぞと主張する素晴らしい表現ではないでしょうか。

降神の志人が参加している#8”ALERGY”もすばらしいです。
マ〇ファナ関係のことばもポンポン出てくるし、本当に「リアル」をうたっているんですが、その表現がとにかく詩的(特に志人はその辺の技量がとんでもない)。

クルーの一人の少佐の逮捕をうたった#11”For S”(「xxx」というコンプラが歌詞の随所にあって笑える)についても「ヒップホップ・ドリーム」に書かれています。面白いエピソードなので買って読んでね。湘南乃風の若旦那が参加しているのが面白い。
DABOを的確かつ確実にディスった#12”FREAKY風紀委員”についても書かれてるのですが、本当にあったことをラップしてるんだなとただただ感服しました。

#3”新宿 Running Dogs

感性鋭く覚醒する歌詞 毎度強度増す 今日と明日跨ぐチャンス

この時期の彼らの生活が克明につづられた「ドキュメンタリー・ヒップホップ」アルバム。


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