四月は君の嘘

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2016年
監督
新城毅彦(「僕の初恋を君に捧ぐ」)
出演
広瀬すず(「怒り」「海街diary」)
山崎賢人(「ヒロイン失格」「orange」)
石井杏奈(「ソロモンの偽証」)
中川大志(「青鬼 ver2.0」)
板谷由夏(「ホタルノヒカリ」)
檀れい(「母べえ」)
劇場公開中
★★☆☆☆

原作のマジックはどこに行った

陳腐なドラマに成り下がってしまった・・・

<あらすじ>
類いまれな才能を持つ天才ピアニスト有馬公生は、母親が他界してから演奏できなくなってしまう。高校2年生のある日、幼なじみを通じて彼は勝ち気で自由奔放なバイオリニスト宮園かをりと出会う。その独創的な演奏に触れたことで、公生は再びピアノと母との思い出と向き合うようになる。一方のかをりは、ある秘密を抱えており……。


漫画も読んだしアニメも見た。広瀬すずも大好き。予告編も見ていいと思った。
これはいけるんじゃないか。そう思って劇場に足を運んだんです。

でも、漫画・アニメにあったマジックは、そこにはなかった・・・。

キャスト陣はいい仕事をしています。
特にやっぱり広瀬すずは安定のかわいさ。
演奏シーンは(僕は全くのバイオリン未経験者ですが)弾いているように「見えた」。これはほんとにすごかったです。山崎賢人含め演奏シーンはすげえよかったです(涙がメガネにたまるっていう演出はサイコー)。
公生の幼馴染役の石井杏奈も演技はへたくそだけど漫画の再現度がすごい。

でも、とにかく映画として陳腐、としか言いようがない。
監督はパンフレットで「この作品はテクニックに走らず、王道でやろうと思っていたんです」と語っているのですが、鎌倉というロケーションも込みでそれはもはや「王道」というよりは「陳腐」。

笑うしかなったのは橋から飛び降りるシーン。
CGなのか、人形での差し替えなのか、とにかく不自然すぎるシーンになってて。あれはホントにひどい。漫画・アニメだと最高のシーンなのに。

あと、やっぱり漫画11巻・アニメ24話分のストーリーを2時間の映画にするのには無理があったのかも。フツーに。
原作はこの「長さ」に意味があったんじゃないか、とこの映画を見終わってから気がつきました。

この物語が単なる「難病もの」じゃない、というのは、やっぱりかをりがついた一つの「嘘」によるところが大きいと思っています、
彼女は自分の命が少ないということを知りながら、それでもいい、あの「手紙」から引用するなら「通り過ぎていなくなる人間」でもいいから、公生と一緒に時間を過ごしたいと思ったのです。
だからこそ、この二人の限られた時間を、濃密に濃密に描き切る必要があったのだと思います。公生の成長とともに。

でも、それをたった2時間の映画にしてしまっては(しかもご丁寧に「公生のトラウマからの解放」という前半部と「かをりの秘密」という後半部の2本立てにして)、その二人の時間の「濃密さ」が全然描き切れないですよ。

だから、どれだけ原作に忠実にキャラクターが演じても、どんなに忠実に一場面を切り取ったとしても、どれだけ忠実にストーリーをなぞったとしても、その「刹那的で濃密な時間」を描かないことにはオリジナルには到底かなわないのです。

なんとも残念な出来になってしまいました。

あー、もう一回原作読み直してアニメも見返したい。そう思いました。



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