amazarashi / 虚無病

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8thEP、2016年、日本
ポップ・ロック / フォーク
★★★★☆

実はメロディもいいんだゾ

#2"星々の葬列"はamazarashiベスト5に入るくらいの名曲。

<まずこの一曲!>
#4"虚無病"

"総人類、何らかの病気だろどうせ 欠陥品どものファンファーレ”

今年発表した3枚目のフルアルバム「世界収束二一一六」もかなり良かったamazarashiから、ミニアルバムという形態としては2013年の「あんたへ」以来3年ぶりのリリースとなる「虚無病」が届けられました。

でも収録曲は5曲(しかもうち発表済みの曲が1つ)。「これシングルでもよかったんじゃね?」とか思ってないですよ別に。笑
まあタイアップがない分致し方ないんですかね。でも初回盤にはオリジナル小説(これで何作目?)が封入と、なかなか気合いが入っております。
今回の小説も面白かったです。そのうち本出してほしいなあ。こういう短編をまとめたものでいいからさ。

どうせ5曲しかないので、1曲1曲紹介していきますか。

#1"僕が死のうと思ったのは"
秋田ひろむが2013年に中島美嘉にシングルとして提供した同名曲のセルフカバーです。
アレンジは変わっているのですが、歌詞・メロディはそのまま。
もともと彼が作った曲なので当たり前ですが、こうして聞くと紛れもなくamazarashiの楽曲だという実感がわいてきます。
もちろん中島美嘉ver.もめちゃくちゃいいんですよ。彼女の声・雰囲気にすごくマッチした仕上がりで。

絶望が希望にすり替わるというamazarashiの作家性ど真ん中の詞もサイコーです。

#2"星の葬列"
amazarashiというバンドのすごさって詞だけじゃなくて。もちろんソングライティング力もずば抜けてるんですよ。
特に秋田ひろむの歌声が生えるような伸びやかなメロディとかがサビに持ってこられちゃうと「聞こえ」としての曲の魅力がとてつもないことになるんですけど、この曲がこの好例。
"無題"、"隅田川"、"この街で生きている"、"ナモナキヒト"とか、そういう曲はことごとく僕を泣かせてくれたんですけど、この曲もそうでした。

歌詞も、Cメロで「星空」と「地上」がぐるっと入れ替わる(そこがちゃんと曲の雰囲気が変わるところになってるのがまたすばらしい)点など含め、もうとにかく素晴らしいですね。2016ベストチューン候補。
あれ、そんなのを考えなきゃいけなくなる季節だなあ。

#3"明日には大人になる君へ"
久々に、リズムにも乗らない、韻も踏まない、純然たるポエトリーリーディング曲ですね。
こういうの待ってたんですよ。
次の曲にうまくつながる感じもいいですね。

#4"虚無病"
タイトルトラック。
なんだか、ドローンだとか人工知能だとかドナルド・トランプだとか、とにかく人類の「来るとこまで来てしまった」感が世間にあふれていた2016年を象徴する曲じゃないかと思います。
「世界収束二一一六」に収録されていてもおかしくなかった曲ですね。

秋田ひろむという作家にとって「虚無」というのはもっとも抗うべき相手であることは初期の作品のアートワークに頻繁に書かれていた「虚無主義に抗え」という言葉からも明らか。
そんな彼がズバリ「虚無病」「虚無の犠牲者」という言葉を使ってまで、いま2016年という時代に表現しているということは、やはり警告として受け止めるべきなのかもしれないですね。

#5"メーデーメーデー"
秋田ひろむは喜ばないかもしれないけれど、これは立派なスキルフルな「ラップ」だと思います。
韻の使いかたがとにかく効果的で、どんどん言葉が脳内に突き刺さっていきます。
最初聞いた時、「ついにこのレベルまで来たか(なぜか上から目線)」と驚きを隠せませんでした。
もうパンチライン吐きまくりです。とにかくエモーショナル。スバラシイ。
ちょっとダサい言い方ですが、こういう「尖った」歌詞にやっぱ弱いです、僕。
若干「ヒップ・ホップさ」すら感じてしまいましたもの。

amazarashiが今年出した2枚の作品。どちらも現代の病理、そして現実を鮮やかに切り取った素晴らしい作品でした。今年もありがとうございました。
おや、そんなことを言う季節になりましたね。


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