Avenged Sevenfold / The Stage

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7th、2016年、アメリカ
ヘヴィメタル / プログレッシヴ・メタル
★★★★☆+α

取り戻した志の高さ

前作の5億倍いいんじゃないすかね。

<まずこの一曲!>
#1"The Stage"

これが公開された時から期待は高まってました。

このバンドは僕がHM/HRを聴き始めたホントの最初の時期からずっと聞いているバンドで、ものすごく愛着があります。
それだけに、前作「Hail To The King」(2013年)にはがっかりさせられました。このバンドらしさが失われていたからです。

僕が初めて聞いたアルバムは4枚目のセルフタイトルアルバム「Avenged Sevenfold」(2007年)。どこから飛び出してくるのか予測不可能な奇想天外さが彼らの売りであり、そのアルバムは彼らの魅力が十二分に発揮された大傑作でした。
しかし、発表後にソングライティングで大きな役割を担っていたザ・レヴ(Ds.)が急死。僕に言わせればこの後からこのバンドは迷走を始めます。

ドラムに元Dream Theaterのマイク・ポートノイが参加した5枚目「Nightmare」では彼が作曲した曲がそのまま使われていたりとまだ面影を残していたA7Xのサウンドは、その次の「Hail To The King」で決定的な乖離に至ります。
このアルバムのなかで彼らのある意味でのプログレッシヴさは完全に息をひそめ、伝統的なHM/HRに終始しある人々から「Metallicaブラックアルバムのようだ」「メタルとしての普遍性を獲得した」と称賛されていましたが、僕はこの作品を聴いて落胆していました。
ザ・レヴの手数足数の多い性急なドラムに現れていた(マイク・ポートノイはそれをある程度意識したドラミングをしてくれていた)彼ら「ならでは」の部分がそぎ落とされているように感じたからです。
M・シャドウスのロン毛も気持ち悪いと思っていたし。

しかしその後、気がついたら6thに参加していたドラマー、エレン・イラハイが脱退。その後任としてパンク畑から元Bad Religionのブルックス・ワッカーマンが加入。

ここまでの情報は入ってきていたのですが、その後このバンドからは音沙汰がしばらくなく。
バンドの活動は非常にスローペースで、正直「このバンドはもうほぼ活動を休止しているのかな」と勝手に思っていました。

そこに来て急きょ新曲の#1"The Stage"がYouTubeで公開されたかと思うと、先日のHi-Standardを思わせるような全世界同時緊急ゲリラリリースという形でこの7枚目のフルアルバムが届けられました。

#1"The Stage"が公開された時点で、僕はかなり期待していました。
イントロからして足数手数多めのブルックスのドラム。シニスター・ゲイツのギターも弾きまくっています。イントロから引きまくっている感じはあの名曲"Beast And The Harlot"を思い出さずにはいられません。
そして何より、8分32秒という長さが物語るように、ある種のプログレッシヴさ、彼ら「ならでは」のメタルサウンドが戻ってきているように感じたからです。
6枚目において失われていたものが戻ってきているのではないか。そういうほのかな期待とともにこのアルバムを手に取り、聴き始めました。

その期待をはるかに上回る出来でこのバンドは驚かしてくれました。考えうる最高の形でこのバンドはカムバックを果たしたと言えるのではないでしょうか。

そしてそこにかなり大きな割合で貢献しているのはやはり新ドラマ―のブルックス・ワッカーマンであるように感じます。
彼のドラミングはザ・レヴに通じるものが少なからずあり、シンバルの使い方やリズムの替え方、フィルインの入れ方など、とにかく脇役にとどまらない叩きっぷりで作品をぐいぐいと牽引しています。
最後のA7X史上最長を誇る大作#11"Exist"でそれは顕著です。ほぼインストと言ってもいいくらいの楽曲なのですが、長さを気にせず聞くことができるのは曲の展開の妙もありますが、彼のドラミングが光っているのも大きな要因の一つ。

彼の活躍に引っ張られるように他の楽器陣もいい仕事をしており、特にシニスター・ゲイツ(Gt.)はこのアルバムで弾きまくっています。また一つ息を吹き返したかのような活躍ぶり。

M・シャドウスのボーカルをはじめ歌メロもパワフルでよいですね。歌詞は彼がここ数年で大きな衝撃を受けたという人工知能についてのものでほぼ統一されているようで、コンセプトアルバムとして作り上げたようです。
しかしDream Theater「The Astonishing」、MegadethDystopia」を始め、今年はなんだかそういう系の世界観を作品にしたメタル作品が多いですね。たまたまかもしれませんが。

ここの話に終始してしまいましたが、とにかく曲のクオリティもすこぶるいいし、これは4th、あるいはあの名盤3rd「City Of Evil」に匹敵する傑作と言い切ってもいいのではないかと思っています。

ここに来てこのバンドに元気が戻ってきたことがとにかくうれしいです。日本に来ることがあったらライブ見てみたいです。

M・シャドウスも坊主に戻ってるし。演奏うまいなおい。


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