KANDYTOWN / KANDYTOWN

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1st、2016年、日本
ヒップ・ホップ
★★★★★

ひたすらクールネス

間違いなく今年「最大」の新人。

<まずこの一曲!>
#4"Get Light"

KANDYTOWNを知るきっかけになった一曲。

総勢16人の大人数クルー。いきなりワーナーからメジャーデビュー。個々のMCもソロアルバムを続々リリース。
2016年の日本語ラップシーンは常にKANDYTOWNの何かが話題になっていました。たしか。
そんな話題沸騰の新人クルーがついにドロップしたデビューアルバムがこの作品。

19曲63分とボリュームたっぷりですが、初回限定盤にはさらに3曲が収録されています。

彼らのヒップ・ホップはすべてがスタイリッシュ。フロウ・ライムからファッションに至るまで。
ひたすらかっこつけていて、それが本当にひたすらかっこいいというすごさです。
これが全員地元の連れっていうのがすごいです。こんな奇跡あるのか。

クルーの成り立ちや各MCの紹介はWOOFIN'の12月号に全部載ってるのでここでは割愛します。

彼らの何がすごいのか。それを語るのは極めて難しいです。
聴けば一発でわかるかっこよさなのですが、いざ「じゃあ何がかっこいいの?」と聞かれると困ってしまう。
別にフロウは最新なわけでもないし、ライミングがすごいわけでもないし、リリックの内容がすごいわけでもない。はっきり言ってアルバムを一通り聞いて耳に残ってるパンチラインなんて数えるほどです。
確かにトラックはどれも素晴らしくかっこいいんだけど、だからと言ってそこ一つを取り上げてそこだけが突出しているわけでもない。
明らかにラッパーを含めた存在感が「どメジャー」だし、かつ「どヒップホップ」なのです。これは何でだろう。

彼らの曲や、個々のMCのソロアルバムの中にもよく登場する「KANDYTOWN  4 Life」というフレーズの中にその答えがあるような気がします。
BAD HOPの"Life Style"ではないですが、彼らの人生がそのまま音楽となって立ち上がっている、その様にどうしようもないくらいのヒップホップさを感じるのではないでしょうか。

彼らのSNSをフォローすれば、そこには例えば崇勲のインスタグラムのように笑顔で他のラッパーと映っている写真があるわけではなく(決して彼を非難しているわけではなく)、ひたすらクールな写真で画面が一面に広がっています。
そこには「生活感」という言葉は似合いません。初回限定版の写真集を撮影したオカモトレイジ(OKAMOTO'S)は「『オフ』というものが全然でないし、もしそういう雰囲気がちょっとでも出たら『それは使わないでください』と言われた」とその苦労を語っています。
KANDYTOWNはカッコつける集団であり、そこが絶対に崩れてはいけないという確固たる信念がうかがえるエピソードです。

KANDYTOWNはそういうクルーだ。そして「KANDYTOWN 4 Life」と高らかに宣言する彼らの人生はKANDYTOWN そのもの。
裏表がないと言いますか、もはや表しかないというのが彼らの音楽であり、人生なのです。

これがSNSなどでオフの素顔をさらしていたとしたら、この音楽にこれほどの説得力が生まれるでしょうか。
16人という大人数というゆえの匿名性や、これまでにリリースしているアルバムが入手困難というエクスルージヴ感、ストリートから口コミで広がったというストーリー、そして地元に密着したクルーというある意味での閉鎖性。
そういったたくさんの要素が合わさって音楽になるとき、それは圧倒的なクールネスをもって立ち上がるのです。
純粋に音楽だけで判断しろ、という声もあるかもしれませんが、ヒップ・ホップというのはそういう音楽なのです。人生密着型というヒップ・ホップの特異性を鑑みた際に、このクルーはそれを誰よりも理解し実践しているように見えます。

間違いなくこれからもシーンの話題を作っていくであろうKANDYTOWN 。
その真価を見定めに、クリスマスフリーライブに足を運ぶのもいいのではないでしょうか。
僕?バイトで行けませんマザファカ。



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