Danny Brown / Atrocity Exhibition

AtrocityExhibition.jpg
4th、2016年、アメリカ
ヒップ・ホップ

「2016年、聴きそびれた作品を聴いていくシリーズ」。世間は2017年になりましたが、聞き逃した作品が多すぎて僕はまだ2017年に行きたくないですよ。DOTAMAとハハノシキュウじゃないけれど、僕の気分はまだまだ「13月」。

早速元旦から去年のアルバムを聴いてるわけですが、今日はハハノシキュウもしっぽ巻いて逃げ出してしまうような鬼才ラッパー、Danny Brownの通算4枚目のアルバムを聴きました。
mol53の「ANTITHESIS」(2016)のレビューでも触れましたが、やっぱラップにはフロウがなければ、という当たり前のことに気がついてしまった僕。最近はフロウにどうしても耳が行ってしまうのですが、そんな今の僕にとってはもうたまらない作品でした。もう一曲一曲エグすぎる。
mol53もDanny Brownも甲高い声が特徴、っていうのも面白い。まあ種類全然違うけども。

早速話が主役からずれるけれども、4曲目に収録されている”Really Doe”のKendrick Lamarのヴァースがとにかくすごい。
短い間隔で同じようなフロウで(もちろん末尾の単語は韻を踏んでいるのだけれど)畳みかけていて、もはやフロウ自体でライムしているような状態。言葉で説明するのが本当に難しいのでとにかく聞いてもらえればそのすごさが分かるのですが、めちゃくちゃかっこいい。
単語の音節数が少ない英語だからこそできる芸当だよなあ。

同じくゲスト参加しているAb-SoulとEarl Sweatshirtも若手の注目株らしいんですが、USのシーンにはとことん疎い僕にはさっぱりわからない。今年はこういうところもちゃんと覚えたいなあ。でもこの4人のマイクリレーはアルバムの中でも抜きんでてかっこいい曲の一つ。

さて、話を主役のDanny Brownに戻そう。
フロウだけで楽しめるので、ぶっちゃけ歌詞の内容とか全く分からない僕みたいな日本人でも楽しんで聴けます。思わず踊っちゃうし。
一度聴いただけじゃわからないやばさがあるし、一度聴いただけじゃ止められない中毒性もある。
シンプルに言えばくそかっけえす。

一筋縄ではいかないトラックがこの作品に拍車をかける。
「最新の」と形容したくなるようなものでもないし、かといって90's回帰みたいなシンプルにヒップ・ホップってものでもない。
彼の甲高い声と調和をとるように、とにかくダークな音像がやばさと中毒性を増してます。
彼だからこそ乗りこなせているのだろうし、彼だからこそこんなビートでも「楽しい」と思えるような「明るい」曲になるのでしょう。ヒップ・ホップの起源はパーティであることを、この人は多分忘れていない。
こういうビートでもシリアスになりすぎず、どこかファニーに仕上がるのは彼のみぞなせる業。

新年一発目にふさわしい大傑作でした。今年もいい作品にたくさん出会えそうな予感。やったね。




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