The Notorious B.I.G. / Life After Death

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2nd、1997年、アメリカ
ヒップ・ホップ



「死」というものは忌み嫌われるものであるが、なぜか人々はそれが芸術と結びついた時、それを美しいものとし、それを称賛する。人は死と隣り合わせの状況下で何か特殊な力を発揮するのかもしれない。死ぬ間際に完成した作品、「遺作」というのは人々に訴えかける力をもっている、もしくはそう見える。

The Notorious B.I.G.。ビッグネームである。ただしそのキャリアはアルバム2枚と悲しいほど短い。
ヒップ・ホップがまだ「抗争」と隣り合わせだった90年代に、2Pacと並んで命を落とした、いわば殉教者だ。
抗争や銃撃のいきさつには詳しくないので僕がとやかく解説することではないが、はっきり言ってミュージシャンが銃撃で死ぬなんて正気の沙汰ではない。絶対にあってはならないことだ。
でも、その「死の匂い」こそが彼の音楽にスパイスを与えていたのではないかと問われると、我々は悲しいかな、首を縦に振らざるを得ない。
この2ndアルバムは彼が銃撃されて亡くなった後にリリースされた、彼の遺作である。

1stアルバムのタイトルが「Ready To Die」っていう時点でどうかしてる。
そして遺作のこのアルバム、最後の曲のタイトルが”You’re Nobody (Til Somebody Kills You)”っていう時点でどうかしてるにきまってる。
明らかに彼は自分の死を予感していたと考えるか、自ら「死の匂い」を演出していたのか。それ話わからないけれども、やっぱり本人が死んでしまっている以上、それ抜きでは語ることのできない作品、ということだけは間違いない。
ヒリヒリとした空気感を楽しめる人には至高のアルバムである。

サウンド的にはこれぞ90'sヒップ・ホップの最高峰、といった感じでゴージャスで豪華絢爛、キャッチーでスムース。グラミーの最優秀ラップアルバムにノミネートされたのもうなずける話。でも受賞を逃しているのはうなずけない話。
1stよりもだいぶメロウでレイドバックしているとのことですが1stは未聴なのでなんとも。

そしてぞっとしたのが"Notorious Thug"という曲。

まるで今日のヒップ・ホップを予言しているかのようなスロウなトラックに3連符フロウの連続。
まったく、彼が今もまだ生きていたら・・・なんて悲しい想像をしてしまうくらいのすごい曲。アティテュード・リリシズムだけではなくスキルもものすごかったのだと主張しているような曲。

宇多丸とK DUB SHINEがこのアルバムと1stについて語っている動画がYouTubeにあるのでそれ見てどうぞ。






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