K DUB SHINE / 新日本人

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4th、2016年、日本
ヒップ・ホップ




K DUB SHINEというラッパー。日本のヒップ・ホップ界において最も社会的なラップをする人物である。
そんな彼が2016年の暮れに発表したアルバムがこちら。

彼らしい右寄りの思想を詰め込んだリリック、あくまで韻にこだわったゆったりとしたフロウ、どこを切り取っても揺るぎのないK DUB SHINEである。
個人的にはK DUB SHINEのこの力の抜けたようなフロウが好きではないので、これを音楽として心から楽しめたかと聞かれると甚だ疑問なのだが、やっぱり彼のリリックはぽっと出のラッパーと比べて「強度」がけた違い。
彼はリリックを書くときに4小節ごとに「起承転結」をつけることを心がけていて、4×4で16小節で1ヴァースとしていると『ラップのことば』で語っているが、それを意識して聞くと彼のリリックの構成力はやっぱり日本のヒップ・ホップシーンの中でもずば抜けているんだなあと実感しました。圧巻。
"ザ ジャッジメント デイ"は彼の新しい名刺代わりの曲といってもいいんじゃないですかね。トラックと合わせて情報量がやばい。

後やっぱ頭一つ抜けてるのはRHYMESTER宇多丸との「右翼・左翼共闘ソング」"物騒な発想"。
日本きっての社会派ラッパー二人の夢の共演。発表は2014年と3年も前ですが、言ってることはまだまだ通用すること。残念ながら。
これまでもradioaktiveprojeqtの"24"や伝説的な発禁ソング"キ・キ・チ・ガ・イ"などでコラボしてきた宇多丸・K DUB SHINE・DJ OASISの3人。やっぱ間違いないねえっすわ。


サウンド面の話をすると、まあ至ってフツーのヒップ・ホップと言ってしまえばそれまでなのだが、LUNA SEAのSUGIZOがギターソロを提供している"プラネットボム"や「和」を感じさせるサウンドが使われた”新日本人”、着実に迫りくる終末の歩みを連想させるようなテンポが曲のトピックとぴったりの"ザ ジャッジメント デイ"もかっこいいけれど、やっぱりトラックで言ったら”星の砂”がめちゃくちゃにかっこいい。
沖縄の問題をラップしたこの曲にぴったりの小柳ルミ子の”星の砂”を大胆にサンプリングしたこのトラックは、「これぞジャパニーズヒップホップ!!」って感じでとにかくサイコーじゃないすか。あんまりここまで大胆に日本語の曲をサンプリングする人っていないですから。

でもやっぱりK DUB SHINEのラップの「聞こえ」「見た目」はあんまり好きになれないからなあ。それでも何回も聞きたいと思わせる力量はすごいと思います。やっぱり日本が誇るオリジナルラッパーですね。
とてもいいアルバムですよ。


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