ぼくのりりっくのぼうよみ / Noah's Ark

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2nd、2017年、日本
ポップ / ヒップ・ホップ



<アルバムについて>(iTunesより)
「ノアの方舟」をそのタイトルに掲げた、ぼくのりりっくのぼうよみによるセカンドアルバム。強烈なインパクトを残した楽曲群で構成されたデビュー作とは異なり、本人曰く、一枚の大きな絵を描くつもりで制作された本作は、タイトル同様に聖書のエピソードをなぞったストーリーに始まり、持ち前の文学性の高いリリックを存分に駆使して、不動の大テーマである「救い」をアルバム全体で表現。ササノマリイを作曲に迎えた、疾走感溢れるドラムンベースへの展開に胸が高まる "Be Noble" から、ノアの大洪水の終焉を示すエピローグであり、次なるエピソードへのプロローグとも言えるニコラ・コンテが手がけた “after that" まで、幾層にも刻まれた絶望と選択を繰り返し、光と音に導かれて辿り着いた先での鮮烈な目醒めはまさに救いであり、長編小説を読み終えた後のような感覚に気づく。壮大なテーマを見事に落とし込んだ驚異の大作、心して聴いて欲しい。


<Jポップの未来は彼の手の中に?>
年下ですわ。

「文学性の高いリリック」という触れ込みでTVなどの露出も多く、今月公開の「3月のライオンー全編ー」とのタイアップもあるということでとにかくメジャーなフィールドでの活躍・大プッシュが目立つ人ですよね。
高校生でデビュー、そして圧倒的なトラックの完成度、ちやほやのされ具合とそれと対照的な非常に冷静な本人のスタンス、好事家にもリーチする音楽性の高さ、そして何より曲の感じとか、すげえ宇多田ヒカルが出てきたときに似てる気がする。
・・・って、宇多田ヒカルが出てきたときは僕は音楽のおの字も知らなかったんですけどね。笑

とにかくクオリティはすごく高いです。もうそれはびっくりするくらいに。
ゴーストライター騒動がそのうち起こってもおかしくないくらい。嫉妬されちゃうよこんなんじゃ。

例えばSFが特に好きなんだろうなあというリリック。「Newspeak」って僕が今読んでるジョージ・オーウェルの「一九八四年」に出てくる新しい言語ですよね。単語数を減らしていって人間の思考の豊かさを奪おうっていうやつ。
伊藤計劃が特に好きらしくて、トリビュート短編集にも参加してたので読みたいところ。

フロウと歌声で「ぼくりりだ」とわからせることができるのは才能。絶妙なネット臭さ。
こういうものがメジャーで称賛される時代になりましたね。
まあ普通に歌うまいからなんだけど。

でも何よりも賞賛されるべきはトラックの出来。
なんていう人が作ってんだろうと思ったら結構バラバラっぽくて、調べてもうまく出てこない。
そう思って聴くと結構バラエティ豊かなんですよね。トラックの。
でも聞くと紛れもない「ぼくりり」の作品になるのはやっぱり本人のデモからトラックを依頼するスタイル(らしい)だからなのかしら。ちゃんと一本筋通せてますよね。表現者として。

うーん非の打ちどころがない。僕にしてみるとそこが少し鼻につくというか、面白くねえなとか思っちゃうんですけど、そう思っちゃう自分も嫌だなあ。欠点がないのが欠点、と言ってしまえばそれまでなんだけど。
聴いてると「3つ上なのに自分はいったい何をしてるんだ」という気持ちに駆られるからなのかもしれませんね。

でも作品のクオリティはとにかく高い。そしてこれからもまだまだ進化していくんだろうと考えるとホントに末恐ろしい。


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