大和田俊之・磯部涼・吉田雅史『ラップは何を映しているのか』

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毎日新聞出版、240ページ

<本について>
画期的ラップ・ミュージック概論、登場。アメリカ事情に精通する大和田俊之、長年ラップの現場に身を置いてきた磯部涼、批評家とラッパー/ビートメイカーを往復する吉田雅史。三人のラップ論者が、日米のラップの変遷を語りつくす! ヒップホップ・カルチャーの歴史を縦軸に、「トランプ後の世界」と「日本語ラップ」の現状認識を横軸に、ラップの潮流を通して、私たちの社会をもマッピングする一冊。

またまた出たラップの本
ラップ・ミュージック好きとして読まずにはいられなかった一冊でした。今年になってから取り上げた『文化系のためのヒップホップ入門』でも共著を務めている大和田俊之さんがこちらにも参加。

Kendrick Lamarの新作が出た今、一番リリックの内容に熱い視線が送られているのは間違いなくヒップ・ホップ。自分で内容が分かっているかと聞かれたら自信はないですが。
そんなKendrick Lamarに対するこの本の視線がいい感じに冷ややかで興味深かったです。一部抜粋。

大和田 (前略)つまり、ケンドリック・ラマ―が重要で素晴らしいアーティストであることは間違いないけれど、意地悪な言い方をすれば、そのケンドリックを白人の評論家が絶賛するという、マイノリティとリベラルな白人が結託して作り出す適度に心地よいぬるま湯的な共同体が結局はトランプ的なるものに敗北してしまった、ということを思わずにはいられませんでした。

そんな彼の登場でN.W.A.が再評価されヒップ・ホップの歴史が修正された、というような見方で本作は一致していて、「ポスト・トゥルース」という言葉もちらほら出てきたりと、非常に俯瞰的な冷静な分析がなされているなと思い感動しました。

日本のラップに対しても1つの章を割いてしっかり取り上げてくれているのがうれしいです。

ラップ好きなら絶対読んでおくべき一冊。


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